Welcom to
DADAN
演出 Director
浩人、すごい形相で下手のドアから出てきて、ドアを後ろ手で閉める
そして、ゆっくり千尋のほうを向く
これは2009年1月に行われた劇団ダダンの公演の脚本の一部です。このたった2行の脚本だけで何万通りもの芝居が可能なことにお気づきでしょうか?
浩人のすごい形相ってどんな顔?ドアから出てくると書いてあるけどそのドアの開け方は?「『ゆっくり』千尋のほうを向く」の『ゆっくり』ってどのくらい?そしてどんな表情で?などなど。一つ一つの動き・台詞に何万通りもの解釈が可能であり、その中から試行錯誤しながらたったひとつを選ぶ。それが演出家の仕事です。
などと恰好よさげなことを書きましたが、実際はこれがまぁ大変。なぜなら演劇において絶対的な答えなど存在しないからです、それでも何とか「これがこの芝居にとって一番いい!(かも)」というものを探すため、幾度となく脚本を読み込んで全体の流れをつかみ、登場人物一人一人がどんな人間かを掘り下げ、彼らが物語においてどんな役割になっているかを分析し、それを演じる役者の技術・長所短所を知り、彼らと話し合い、舞台空間という物理的制約と音響・照明の技術的制約をくぐり抜け、なんとか自分なりの答えを見つけ出しみんなに提示する。さらにそこから実際に演技している役者を見て、ああでもないこうでもないを繰り返し、それらを積み上げながら一つの芝居を作り上げていきます。
そして本番当日、客席で舞台を見守りながら役者の動きやお客さんの反応にいちいちハラハラドキドキして、舞台が終わるころには屍みたいになっていたり、満面の笑みを浮かべて「ブラボー!ブラボー!」と叫んで隣のお客さんに気持ち悪がられるのが僕の思う演出家の仕事です。
まぁ、上にあげたもの以外にも演出家の仕事はいくらでもありますが、演出家というのは「楽しみ」と「苦しみ」の両方をいやというほど味わえるものです。もし、すこしでも演出に興味があるのなら、あなたも劇団ダダンで演出をやってみませんか?稽古場でお待ちしています。
脚本 writer
仕事内容は、脚本を締切までにあげ、演出と相談しながら随時更新し、素敵な内容に仕上げる、ただそれだけ!文章を書くお仕事です。
ある程度の文章能力と、書きたい!という想いがあればできると思います(経験談)。
自分の脚本で演劇が行われる場合、自分の頭の中で想像(妄想)したことが実際に目の前で形になるという喜びが貴方を待ち受けています。自分の想像した世界が創造されるのです。つまり、ある程度やりたい放題にできるわけですね。やったぁ★達成感も人一倍!趣味も丸出せる!
やりがいのあるお仕事です。
役者 Actor
他人を演じるということは、社会では詐欺行為に他なりません。
演じることは人を騙すから不法行為に当たるのではなく、行為そのものがこの世界のどんなものにもかえ難い快楽を生むからです。
他人を演じるにはもちろん色々なものを使います。脳、声、顔、身体…つまり、自己を総動員しなければいけないのです。
しかし別の視点に立ってみると、こういうことも言えます。「演じることは自己の再発見である。」と。演じるということは他人の皮を着ることではなく、自己を変形させていくことなのです。
僕には意を決して守るべき自己はありません。しかし柔軟に、刺激的に変形していく自己はあります。何事においてもそうでありたいと思います。